「足場とは?」「仮設足場って何のためにあるの?」そんな疑問を持つ方のために、本記事では初心者でもわかる仮設足場の基礎知識を分かりやすく解説します。現場監督や設計者、足場業者はもちろん、建設に関心を持つ方にもおすすめです。最新の法令や仮設工業会の技術指針、安全対策まで網羅しています。

目次
仮設足場とは?その定義と目的をわかりやすく解説
まず「仮設足場とは何か?」からおさらいしましょう。
よろしくお願いします。
仮設足場とは、建設現場や修繕工事などで作業員が高所作業を安全かつ効率的に行うために、一時的に設置される構造物です。足場の目的は大きく3つあります。
作業員の安全確保(落下防止)
作業効率の向上(移動や作業のしやすさ)
資材運搬や外壁工事のサポート
作業効率の向上(移動や作業のしやすさ)
資材運搬や外壁工事のサポート
安全な足場の設置は労働災害の防止に直結するため、適切な設計と点検が欠かせません。
足場には3つの目的があるんですね
足場の種類と構成部材|初心者向けの基本知識
何か質問がありますか?
足場 種類にはどんなものがあるのですか?
足場には大きく分けて3つの種類があります。以下に説明します!
お願いします!
単管足場とは?
単管足場は、直径48.6mmの鉄パイプ(単管φ48.6)をクランプ(挿絵では黄色にしています)で接続して組み立てる仮設足場です。小規模な改修工事や住宅現場などでよく使用されます。
- 柔軟性が高く、狭い現場にも対応可能
- 経験者の技術が必要
単管足場
枠組足場とは?
枠組足場は、規格化された鳥居枠フレームを組み合わせて設置する仮設足場で、主にビルなど中〜大規模工事に利用されます。
- 組立が早く、安定性が高い
- 高所作業に適している


クサビ足場とは?(くさび式足場)
クサビ足場(くさび式足場)は、ハンマー1本で組み立てができる中層用の足場で、住宅・低層マンション・改修工事などで多用されています。
- 部材同士を「クサビ(楔)」で接続する構造
- 経験が浅い作業者でも扱いやすい
- 組立・解体の作業時間が短縮できる
- 省人化に貢献し、コスト面でも優秀
近年、**「足場と言えばクサビ式」**という現場も増えており、柔軟性・安全性・スピードのバランスが取れた方式です。

足場の設置方法と使用年数|安全性を保つための基準とは?
他に何か質問がありますか?
足場 設置とメインテナンスは誰がどのようにやるのですか?
では足場の設置手順とメインテナンスについて解説します
足場の設置手順(基本)
地盤の確認(不安定な場合は養生)
ジャッキベース設置
支柱・筋交い・布材の設置
手すり・階段の取り付け
最終点検・記録
ジャッキベース設置
支柱・筋交い・布材の設置
手すり・階段の取り付け
最終点検・記録
使用年数の目安とメンテナンス
鋼製足場材:10〜15年(錆や変形がないか要確認)
アルミ足場材:軽量だが傷みに注意、5〜10年が目安
クサビ足場材:強度と耐久性が高いが、ジョイント部の摩耗に注意
アルミ足場材:軽量だが傷みに注意、5〜10年が目安
クサビ足場材:強度と耐久性が高いが、ジョイント部の摩耗に注意
クサビ足場も同様に、使用前・使用中・使用後の点検を徹底することが安全維持に繋がります。
足場の組み立て・安全点検・劣化判断のポイント
次の質問は何ですか?
足場の劣化の判断と点検のタイミングを教えてください
「足場 劣化 放置すると?」という不安も多く聞かれます。
以下に解説をします!!
以下に解説をします!!
劣化判断のチェック項目
パイプの変形や亀裂
クサビ部分の摩耗・ガタつき
ナットやクランプの緩み
目視での錆びや腐食
クサビ部分の摩耗・ガタつき
ナットやクランプの緩み
目視での錆びや腐食
点検のタイミング
設置時(初期点検)
作業開始前(日常点検)
台風・地震後など(臨時点検)
解体前(最終点検)
作業開始前(日常点検)
台風・地震後など(臨時点検)
解体前(最終点検)
特にクサビ足場の場合、接合部のかみ合わせ不良は転倒・転落事故の原因となるため要注意です。
解りました!
労働安全衛生法と仮設工業会技術指針の違いを整理
次の質問は何ですか?
足場の図面を書く時に思うのですが「足場 安全基準は法律?ガイドライン?」どちらですか?
「足場 安全基準は法律?ガイドライン?」と混同されがちですが、それぞれの特徴を理解しておきましょう。
労働安全衛生法の要点
- 第564条:作業床の幅は原則40cm以上
- 第565条:手すりの高さは85cm以上、中さんは35〜50cm
- 落下防止措置の義務
仮設工業会技術指針とは?
- 法的拘束力はないが、業界標準として裁判でも評価対象
- クサビ足場に関する技術基準も明記されている
- 安全設計・施工時のベンチマークとして活用可能

現場監督・設計者向け足場チェックリスト
初心者だけでなく、経験者にも役立つ「足場の安全チェック項目」をまとめました。
解りました
チェック項目 | 内容 |
地盤状態 | 不陸・沈下のリスク確認 |
支柱間隔 | 適切なピッチ(90〜180cm) |
手すり設置 | 上さん・中さん・下さんの高さ確認 |
安全通路 | 階段や通路の確保 |
教育 | 作業員が足場組立特別教育を受けているか |
記録方法・共有ツールの活用法(PDF・LINE WORKSなど)
次の質問は何ですか?
現場の指示や営業マンの指示にタイムラグがあり困っています!! どうすればいいですか?
「足場の点検記録はどう管理する?」という現場の悩みには、以下のツール活用がおすすめです。
- PDF注釈機能:設計図面に赤字で注意点を記入
- LINE WORKS/Chatwork:写真・動画による共有
- Google Drive/Dropbox:クラウドで一元管理
これにより、属人的ミスの防止や法的証拠の保全が可能になります。
これを使えばスムーズに作業が出来ますね!

よくある質問(FAQ)
次の質問は何ですか?
足場の劣化を放置するとどうなりますか?
劣化部材の使用は、足場倒壊や転落事故の原因になります。特にクサビ式足場のジョイント部劣化は接合不良による大事故に繋がるため、点検を怠らないことが重要です。
足場の点検はどのくらいの頻度で必要ですか?
原則「毎日の点検」が義務付けられており、特に強風・大雨の後や長期使用の場合は再点検が必須です。
わかりました ありがとうございます。
まとめ|事故防止と訴訟回避のために必要なこと
「足場とは何か」を知ることは、安全管理の第一歩です。以下のポイントを押さえて、事故防止と訴訟回避を徹底しましょう。
- 足場の種類と目的を理解し、現場に適した設計を行う
- 設置手順と点検フローを整備し、使用年数にも注意する
- 労働安全衛生法・仮設工業会指針を遵守する
- クサビ足場の特徴を活かし、安全かつ効率的に運用する
- 記録と共有をデジタルツールで一元管理する

※本記事は2025年6月現在の法令・仮設工業会資料をもとに執筆されています。現場環境に応じて最新情報をご確認ください。
👤この記事を書いた人
ISHIDA DESIGN OFFICE 代表 I.D.O 足場組立等作業主任者/仮設設計技術者
仮設計算歴30年以上。建設現場での足場設計・点検・安全管理業務に従事。
現在は仮設設計と安全な工事にアドバイスをしている