「最近、住宅の改修現場でよく見かける“クサビ足場”。でも、いったい何がそんなに優れているの?」
作業スピードが早くて、コストも抑えられて、安全性も高い——そんな理想の足場が「クサビ足場(くさび緊結式足場)」です。
現場で「ハンマー1本あればOK!」というシンプルさが支持され、若手職人からベテラン現場監督まで多くのプロに選ばれています。
でもその一方で、「騒音が大きい?」「高さ制限は?」「互換性はないの?」といった注意点も…。
この記事では、クサビ足場の仕組み・メリット・デメリットから法令・積載荷重・導入手順まで、ISHIDA DESIGN OFFICEが会話形式でわかりやすく徹底解説!

枠足場のようにクランプを使わないんだね。
最近は住宅や低中層のマンション改修でよく使われてるね。
正式名称は“くさび緊結式足場”と呼ばれているね
構造としては、支柱の突起に部材を差し込んで、金属製のクサビで固定する仕組みなんだ。
日本にはいくつかのメーカーがクサビ緊結式足場を作っているよ!
【クサビ足場の基本構造と主な部材】
- 支柱(コマ付き鋼管)
- 手すり(水平材)
- 布板(作業床)
- ブラケット
- 先行手すり
- ジャッキベース
- 筋交い・ブラケット
クサビ足場の様子
“ハンマーだけで固定”できること。
工具が最小限で済むから、誰でもすぐに覚えられるんだ!
【クサビ足場が選ばれる6つの理由】
若手でも扱いやすい → 教える手間が少なくて即戦力になりやすい。
軽くて運搬がラク → アルミ製の部材も多くて、腰への負担も少ない。
柔軟性が高い → 狭小地や段差のある現場にも適応しやすい。
法令対応済みで安心 → 2023年の法改正で“先行手すり”が必須に。クサビ足場はほとんどが対応済み。
トータルコストが優秀 → 初期費用が高めでも、施工スピードで人件費が圧縮できるから、結果的に安い。

【クサビ足場の注意点・デメリット】
メーカー互換なし:部材の規格が違うから、混在不可。
複雑な形状には弱い:単管足場ほど自由な形状には対応できない。
風に弱くて高層は不向き:特に31m超えると補強必須。
しっかり高さ制限に注意をしないといけません!

【足場の高さ制限と法律】
足場種類 | 高さ制限 |
クサビ足場(住宅用) | 31m未満 |
クサビ足場(ビル用) | 45m以下(補強あり) |
単管足場 | 31m以下 |
枠組足場 | 45m以下 |
二側足場(住宅用) | 10m以下 |
高さが10mを超え、設置から解体までが60日を超える場合は、“足場設置届”が必要(労働基準監督署へ)。」

【積載荷重の基準(最新版)】
- 400mm幅:200kg
- 240mm幅:150kg
- 10m未満の低層住宅:1スパン200kg以下、構面全体で400kg以下
- 踏み間隔900mm以上:1スパン400kg以下
- 同スパン上は2層まで、連続スパンはNG
さらに、6mを超える一側足場や開口部の上では200kgまで。
最大積載荷重は“見やすい場所に表示”が義務。
くさび緊結式足場の最大積載荷重 |
· 400mm幅の作業床の許容積載荷重は200kg · 240mm幅の作業床の許容積載荷重は150kg · 軒の高さ10m未満の低層住宅建築工事に用いる場合は、1スパンあたり200kg以下、 · 前後踏み間隔が900mm以上の場合、1スパンあたりの最大積載荷重は400kg以下 · 同一スパン上2層までの荷重とし、連続スパンにわたって積載しないこと |

【法令と安全対策】
主に“2m以上の高所作業”で、先行手すり・墜落防止措置が義務化されたことだね
- 仮設工業会認定の部材を使うことが推奨されてるよ。構造強度も保証されるから安心。
- 耐用年数の法律上の明記はないけど、10年+年次点検が業界スタンダード。」
【現場別おすすめ足場早見表】
現場状況 | おすすめ | 理由 |
若手が多くスピード重視 | クサビ足場 | 組立が早く、誰でも扱える |
狭小地や変形地形 | 単管足場 | 自由度が高く、設置しやすい |
高層・大規模建築現場 | 枠組足場 | 安定性と安全性が高い |

【導入の流れと社内マニュアル化推奨ステップ】
各課程でマニュアルを制作するする必要があるね!
認定部材の選定
組立前の安全研修(騒音対策も含む)
組立・写真・点検記録の保存
解体・保管・再利用管理
【まとめ】
クサビ足場って、現場では大変使いやすい足場です。
特に『速い・安全・コスパ』のバランスが良いというメリットがあります。しかし法令や設置条件をちゃんと理解して、適材適所で使うことが大切。また騒音とか規格の違いにも注意して、最適な選択をしていくことが大切です!
👤この記事を書いた人
ISHIDA DESIGN OFFICE 代表 I.D.O 足場組立等作業主任者/仮設設計技術者
仮設計算歴30年以上。建設現場での足場設計・点検・安全管理業務に従事。
現在は仮設設計と安全な工事にアドバイスをしている