
クサビ足場の価格は「法令+図面+積算」で決まる
「相場は知っているけど、積算の精度が心配」「最新法令に適合しているか不安」——多くの現場監督や図面担当が抱える悩みです。
結論:クサビ足場の価格は「法令遵守」「規格品選定」「図面積算精度」の3要素で決まります。
2024年改正労働安全衛生規則で旧規格資材の使用は不可 → 違反すれば罰則。
仮設工業会認定・JIS規格品は高いが安全・長期的にコスト安定。
認定製品は 安全基準を満たすことが保証 されているため、
中古市場でも「認定マーク付き=高値で取引」されやすいことが確認できます。
図面積算の精度が低いと赤字・事故・労基署是正命令につながる。
この記事を 読むメリット:価格の仕組みを理解し、「利益を守りつつ安全を確保する」ための実務知識を得られます。
出典:

クサビ足場の価格はどう算出される?
定義:クサビ足場の価格は「部材単価 × 数量 + 付帯費用」で構成される。
部材単価の目安(新品参考値)
部材 | 単価(税別) | 用途 |
支柱(2.0m) | 2,500〜3,000円 | 基本構造 |
踏板(400mm幅) | 3,000〜3,500円 | 作業床 |
手すり(2.0m) | 1,800〜2,200円 | 転落防止 |
ブラケット | 1,200〜1,500円 | 張出し支持 |
付帯費用の目安
組立解体費:800〜1,500円/㎡
運搬費:2〜10万円(距離・エリア依存)
ポイント:㎡単価だけを見積もると誤差が大きく、部材拾い出しの精度が利益を左右します。
関連記事:足場の積算方法|初心者でもできる簡単見積もりのコツ
最新法令が価格に与える影響は?
結論:規格外資材は使用不可 → 認定品の価格上昇が避けられない。
2024年労働安全衛生規則 改正要点
改正項目 | 条文 | 新基準 | 旧基準 |
作業床幅 | 第540条の2 | 40cm以上 | 30cm以上 |
手すり高さ | 第542・543条 | 85〜95cm | 明文化なし |
先行手すり | 第546条の2(新設) | 義務化 | ― |
支柱間隔 | 第540条の4 | 2.0m以内 | 明確規定なし |
この改正により「古い資材は使えない → 認定部材価格が高止まり」する状況。

図面から積算する手順は?
図面積算は「平面図→立面図→部材拾い出し→単価掛け合わせ」の流れ。
立面図で高さ・段数を確認(2.0mピッチ)
部材を拾い出し表にまとめる
単価を掛け合わせ合計を算出
図面から積算する為にチェックリスト(必須項目)
1,先行手すりの数量を含めたか?
2,仮設工業会認定品か?
3,CAD積算と手拾いを照合したか?
関連記事:足場CADデータを一括ダウンロード|信頼できるメーカーまとめ

現場の失敗事例と是正策
失敗例:積算漏れによるコスト超過
- 踏板を20㎡分拾い忘れ → 追加発注で+30万円
- 工期遅延 → 違約金リスク
是正策
- CAD自動拾い出し機能を使用
- 現場監督+図面担当のWチェック
- 発注前に「規格互換性チェックリスト」を作成
関連記事:
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FAQ
まとめ:価格は「安全」とセットで考える
まとめ
クサビ足場の価格は 部材単価+付帯費用+法令対応コスト
認定資材は高いが、事故防止・罰則回避につながる
積算精度の向上=利益と安全を守る最短ルート
認定マーク付資材を使用しているか?
図面積算をダブルチェックしたか?
現場監督や施工担当者が、正しい判断をすることで――
作業員の安全を守れる
工期の遅れを防げる
会社の信頼も高まる
こうした一歩一歩が、あなたのチームを強くし、結果的に利益と安全を両立できる現場をつくります。
「次の現場はもっと良くできる」
そう思って積算や業者選びに臨めば、必ず成果につながります。
この記事が、あなたの現場を一段上のレベルへと引き上げるきっかけになれば幸いです。
内部リンク案
【チェックシート付き】「クサビ足場の法令違反が招く罰則と責任|建設業法・労働安全衛生法に基づく最新2025年基準」
【2025年版】足場点検の完全ガイド|現場監督・職長のための実務&法的チェックリスト
この記事を書いた人
ISHIDA DESIGN OFFICE 代表 I.D.O 足場組立等作業主任者/仮設設計技術者
仮設計算歴30年以上。建設現場での足場設計・点検・安全管理業務に従事。
現在は仮設設計と安全な工事にアドバイスをしている