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クサビ一側足場と単管ブラケット足場の違いとは?用途・特徴を徹底解説【図解あり】

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目次

クサビ一側足場と単管ブラケット足場の違いとは?用途・特徴を徹底解説【図解あり】

住宅外壁に設置された一側足場と補強材の全景写真。クサビ足場とブラケット足場の違いを説明するための現場写真。
住宅外部に設置された一側足場の実際の施工例(撮影:ISHIDA DESIGN OFFICE)。

「この現場、クサビ一側でいくか、それとも単管ブラケットにするか…」
図面を見ながら、そんなモヤモヤを感じたことはないでしょうか。

どちらも地面から支柱を建てる「一側足場」系統ですが、

  • 構造の考え方
  • 適した用途
  • 壁つなぎや控えの取り方
  • コスト・工期・安全性

が変わってきます。

しかも、労働安全衛生規則第570条・571条、仮設工業会のくさび緊結式足場の技術基準など、
法令側の要求も年々アップデートされています。
(参照:厚生労働省  足場に関する労働安全衛生法上の規定について)

この記事では、私が実際に担当した現場での悩みやヒヤリも交えながら、

クサビ一側足場/単管ブラケット足場の構造と違い
どんな現場にどちらが向いているか
安全・法令・コスト面の押さえどころ
足場選定で役立つチェックリスト(Excel)のイメージ

を、図解イメージを頭に描きやすい形で整理していきます。


関連記事:クサビ足場とは|仕組み・高さ制限・積載荷重【2025年最新版】 


前提と用語整理:クサビ一側足場と単管ブラケット足場

要約:
ここでは、それぞれの足場を「どういう構造・コンセプトの足場か」をざっくり揃えておきます。
名称だけで判断すると危険なので、**「どこに力が流れているか」**を意識しておくと後の話が楽になります。

クサビ一側足場とは?

私の現場感覚で言うと、クサビ一側足場は**「クサビ足場の片側版」**です。

  • くさび緊結式足場の部材(支柱・布材・作業床など)を使い
  • 建地を片側一列に並べて
  • 片持ち的に作業床を跳ね出してくるイメージ

特徴

  • くさび金具+専用部材で、組立・解体が速い
  • 狭い通路・片側だけ作業したい場所で威力を発揮
  • 一側ゆえに横揺れ・転倒に弱くなりやすい → 壁つなぎ・控え・根がらみ等の補強設計が重要
  • 高さ制限や二本建地の考え方は、仮設工業会「くさび緊結式足場の技術基準」に準拠
    (参照:一般社団法人 仮設工業会)

私自身、配管まわりの改修で「ここはクサビ一側しか入らない」という現場を何度も経験しています。工期短縮には貢献しますが、補強設計をサボると一気に“地獄”になる足場でもあります。

単管ブラケット足場とは?

単管ブラケット足場は、単管足場+ブラケット金具で作業床を持ち出す方式です。

  • 足場用鋼管(φ48.6)を地面から建地として建て
  • クランプ+ブラケットで足場板を支持
  • 一側・二側どちらの構成も取り得るが、ここでは片側設置のブラケット足場を前提にします。

特徴

  • 単管の自由度を活かして、変則形状・障害物まわりに対応しやすい
  • ブラケットの出寸法や支柱間隔を設計することで、作業性と安定性のバランスが取れる
  • 部材が汎用なので、現場にある単管資材で対応しやすい反面、設計・管理レベルがバラつきやすい

構造と力の流れの違い【図解イメージ付き】

要約:
どちらも“片側で支える足場”ですが、使う部材と力の流れが違います。
ここをイメージできると、「どの方向に補強を増やすべきか」が見えやすくなります。

図解イメージ

クサビ一側足場と単管ブラケット足場の構造と力の流れを比較した図解イメージ
クサビ一側足場と単管ブラケット足場の構造と力の流れを示した図解イメージ。

文章だけですが、こんなイメージを持ってもらえると良いかなと思います。


用途・適用範囲の違い:どんな現場に向いている?

要約:
「どっちが優れている」というより、**「どんな条件ならどちらが向いているか」**が重要です。
ここでは、よくある条件別にざっくりマトリクスで整理します。

条件別のざっくり比較表

条件クサビ一側足場単管ブラケット足場
現場スペース(狭小)◎:狭い通路・片側作業に強い○:単管で調整できるが手間は増えやすい
工期◎:組立・解体が速い△:単管・クランプ作業が多く時間増
形状の自由度△:専用部材の範囲で対応◎:変則・段差・障害物に強い
高さ・スパン○:技術基準内なら45mまで可能○:設計次第だが設計力に依存
技量要求○:マニュアル通りなら比較的標準化△:設計・組立ともに経験値が必要
将来の流用性○:クサビ足場として他現場でも活用◎:単管資材として汎用的に活躍

ざっくり言うと、**「標準化された早い足場=クサビ一側」「変則・特注対応に強い=単管ブラケット」**というイメージです。


安全性と法令対応:安衛則・仮設工業会基準をどう見るか

要約:
一側足場は、法令上も「例外的な存在」です。
だからこそ、壁つなぎ・控え・斜材・昇降設備・手すり等の“上乗せ安全”が必須になります。

安衛則のポイント(ざっくり押さえ)

ここで大事なのは、

「一側だから壁つなぎ無しでいい」ではなく、
「一側だからこそ、壁つなぎ・控えでしっかり補強する」

という発想です。

仮設工業会「くさび緊結式足場の技術基準」

仮設工業会の技術基準では、くさび緊結式足場について

  • 原則高さ31m未満
  • ビル工事用など条件を満たせば45mまで(建地二本組ほか設計条件付き)
    (参照:一般社団法人 仮設工業会)
  • 斜材は全層・全スパンに連続して設置(例外条件あり)
  • 一側足場を除き、ビル工事用は先行手すりを原則設置

といった基準が定められています。

単管ブラケット足場の注意点

単管ブラケット足場は、法令で「ブラケット足場だけ独立した条文」があるわけではなく、鋼管足場としての一般条項+構造指針・メーカー資料で考えます。

  • 支柱間隔・ブラケット出寸法・荷重条件を満たしているか
  • 一側構成なら、クサビ一側足場と同様に倒壊防止・横揺れ対策を手厚く
  • 足場組立等作業主任者が、計画・組立・点検を一貫して管理

私の感覚では、「単管ブラケットは設計者と現場がコミュニケーションを取り切れているか」が、事故リスクを大きく左右します。

※本記事は法令の概要を示すものであり、最終判断は必ず最新の安衛則・告示・仮設工業会基準・メーカー仕様書・元請との協議内容に従ってください。


コスト・工期・段取りの比較

要約:
コストは「材料費」だけでなく、人件費・回送・段取りのしやすさまで含めて見る必要があります。
ここでは、現場での体感に近い形で比較します(具体単価は地域・契約で大きく変動します)。

ざっくりコストイメージ

項目クサビ一側足場単管ブラケット足場
材料費(㎡あたり)900〜1,300円程度のレンジイメージ1,000〜1,500円程度のレンジイメージ
人件費◎:組立・解体が速く人数も少なめ△:組立に手間・経験値が必要
回送・積み込み○:専用部材だがラック管理しやすい○:単管・クランプで汎用性高い
段取り・教育コスト○:マニュアル化しやすい△:個々人の経験値に依存しがち

私の担当現場では、短期の改修工事ではクサビ一側がトータル安くなるケースが多く、逆に「変則形状+長期」の場合は単管ブラケットの方が最終的に手戻りが少なく済んだ、ということもありました。


施工手順とチェックポイント(クサビ/ブラケット)

要約:
ここでは詳細な手順書ではなく、「どこで事故が起きやすいか」「どこを事前に決めておくと楽か」に絞ります。
いずれも、足場組立等作業主任者の指揮と作業計画書のもとで実施することが前提です。

クサビ一側足場のポイント

  • 事前に決めておきたいこと
    • 建地ピッチ・布ピッチ・作業床高さ
    • 壁つなぎ/控えの位置とピッチ
    • メッシュシートを張るタイミング(補強完了後に張る)
  • 組立時の「ヒヤッとしやすい」場面
    • 一側なので、最初の数スパンが不安定になりやすい
    • 壁つなぎが後追いになると、強風で揺れやすい
  • チェックポイント
    • 斜材の抜け・省略がないか
    • 先行手すりや手すりの高さ・中さんの有無
    • ベース金具・根がらみの設置状態

単管ブラケット足場のポイント

  • 事前に決めるべきこと
    • 支柱間隔(縦・横)
    • ブラケット出寸法と許容荷重
    • 足場板の種類・継ぎ手位置
  • 注意したい点
    • ブラケットの取付方向・クランプ締付トルク
    • 片側に荷重が偏るので、転倒モーメントをどう抑えるか(壁つなぎ・控え・根がらみ・アンカーなど)

点検・記録・教育で押さえるポイント

一側足場の点検項目をチェックリストで確認する作業員と、クランプの拡大図を示した安全点検イラスト
一側足場では「組んだ後のケア」が重要。点検・記録・教育を習慣にして安全性を高めましょう。

要約:
一側足場は「組んだ後のケア」が特に重要です。
強風後・地震後・荷重条件変更時の臨時点検を、習慣として組み込んでおきたいところです。

日常点検(作業前点検)

  • 建地の沈下・浮き・ソール板の状態
  • 手すり・中さん・幅木の緩み
  • ブラケット・クランプ・くさび金具の緩み・脱落
  • メッシュシート・養生のバタつき(風圧増大要因)

週次・節目点検

  • 壁つなぎ・控えの状態(腐食・緩み)
  • 斜材の連続性・省略の有無
  • 設計時と違う荷重(長期荷重・資材置場化)が生じていないか

私は、一側足場を採用した現場では、**「強風注意報が出た翌日は必ず写真付きで点検記録を残す」**ことを自分ルールにしています。元請・監理への説明がとにかく楽になります。

教育・周知

  • 一側足場は「例外的な足場」であること
  • 作業床の許容荷重と、人員・資材の同時許容量
  • 単管ブラケットでは、ブラケットに立つ・跳ねる動作を禁止すること

部材一覧・互換性・NG運用

要約:
クサビ系・単管系は、一見似ていてもメーカー・システムをまたいだ混用は原則NGです。
ここでは、最低限押さえたいルールだけを整理します。

クサビ一側足場

  • 使用部材は、仮設工業会の認定を受けたくさび緊結式足場の専用部材が基本
  • メーカーの違うクサビ部材・床材・支柱の混用は原則禁止(仮設工業会Q&Aでも混用不可が基本スタンス)
    (参照:一般社団法人 仮設工業会)
  • どうしても他社部材を使う場合は、メーカー確認+設計検討書で裏付けが必要

単管ブラケット足場

  • ブラケット・クランプは、JIS適合品・メーカー仕様を確認
  • ブラケットの許容荷重表をきちんと確認し、作業床の使用条件と合わせて判断
  • 単管の腐食・肉減り・曲がりが著しいものは使用しない

NG運用の典型例

  • 「クサビ一側の上に単管ブラケットを“ちょい付け”」など、設計外の足し算足場
  • 古い踏板・手すり・ブラケットを、寸法・強度確認無しで流用すること
    • 寸法が合っていても、腐食・溶接部の損傷があれば交換が必要です。
    • 検査では、旧仕様のまま使い続けている部分は是正指導の対象になりやすい印象です。

ケーススタディ:選定ミスでヒヤッとした現場と改善例

要約:
ここでは、私が実際に見た「うわ、これ危ないな…」という現場を、少しオブラートに包みながら共有します。
目的は、誰かを責めることではなく、同じ失敗を繰り返さないための反省材料にすることです。

ケース1:クサビ一側で壁つなぎが後追いになった現場

足場の選定ミスで不安定になった現場と、壁つなぎや控えを追加して改善した現場を比較した図解イメージ
選定ミスによる不安定な足場と、適切な補強で改善した後の状態を比較した図解イメージ。
  • 条件:低層の改修工事/狭小地/短工期
  • 施工側:「とりあえず足場を先に立てて、あとで壁つなぎを入れていく」段取り
  • 問題:建て込み完了〜壁つなぎ設置までの数日間、強風の日に足場全体が大きく揺れた

改善後

  • 次の現場から、
    • 「2スパンごとに仮控えを入れながら建てる」
    • 「壁つなぎ予定位置は図面で事前にマーキング」
  • 私も図面上で**“壁つなぎピン”を色付きで表示**し、職長と事前にすり合わせるようにしました。

ケース2:単管ブラケットで支柱間隔が広すぎた現場

支柱間隔が広すぎた単管ブラケット足場の不適切な状態と、支柱増設と斜材追加で改善した状態を比較した図解イメージ
支柱間隔が広がって不安定になった足場と、支柱増設・斜材追加で改善した例を比較した図解です。
  • 条件:外装仕上げ/開口多めの外壁
  • 設計:図面上は支柱間隔が2.0mピッチ
  • 実際:障害物を避けるうちに最大2.5m程度まで広がっていた

改善後

  • 問題となったスパンを中心に、支柱を増設+斜材を追加
  • 以降は、**「現場で実測した支柱間隔を点検表に記録」**する運用に変更

ダウンロード/ツールのご案内(Excelチェックリスト)

「毎回ゼロから考える」のは、本当に大変ですよね。
私も現場監督をしていた頃、狭小・高さ・風・壁つなぎ制約を 毎回いちから整理するのに時間がかかり、何度も悩みました。

そこで、自分用に
現場条件 → 推奨足場 → 注意すべきポイント を 一つの Excel にまとめた簡易ツールを作りました。

  • 現場条件を入力するだけでリスクスコアが見える
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【無料Excel+マニュアルPDF】足場選定・壁つなぎ計算ツール(ISHIDA DESIGN OFFICE 公式)

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現場で役立つ“おまけグッズ”のカテゴリ紹介

この記事と相性の良い、カテゴリ単位のおすすめグッズも挙げておきます。

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FAQ よくある質問


Q1. クサビ一側足場の高さはどこまで認められますか?
A. 仮設工業会「くさび緊結式足場の技術基準」では、原則31m未満、ビル工事用で所定の補強条件を満たせば45mまでとされています。ただし、安衛則やメーカー仕様を踏まえた設計が前提であり、個々の現場で必ず設計者・元請と協議してください。
(参照:一般社団法人 仮設工業会)
Q2. 一側足場では壁つなぎは必須ですか?
A. 労働安全衛生規則第570条第1項第5号では、一側足場・本足場・張出し足場について壁つなぎ又は控えを設けることが定められています(一部例外的な取扱いあり)。一側だから壁つなぎ不要という解釈は誤りであり、むしろ積極的な補強が必要です。
(参照:厚生労働省足場に関する労働安全衛生法上の規定について)
Q3. クサビ一側足場と単管ブラケット足場を同一構面で混用しても良いですか?
A. 原則避けるべきです。くさび緊結式足場は仮設工業会認定の専用部材を組み合わせることが前提であり、単管ブラケットや他社部材との混用は、設計・実験的な裏付けがない限り安全性を保証できません。混用を検討する場合は、メーカー確認と構造計算を行った上で、元請と協議のうえ判断してください。
(参照:一般社団法人 仮設工業会)
Q4. ブラケット足場にも足場組立等作業主任者は必要ですか?
A. はい。足場の種類にかかわらず、安衛法に基づき一定規模以上の足場工事には足場組立等作業主任者の選任が必要です。単管ブラケット足場も例外ではなく、計画・組立・点検を主任者の指揮のもとで行う必要があります。
(参照:労働安全衛生規則 第565条)
Q5. 古い踏板や手すりをブラケット足場で流用しても大丈夫ですか?
A. 寸法が合っていても、腐食・変形・溶接部の損傷がある部材は使用を避けるべきです。定期点検・使用開始時点検の記録を残し、疑わしい部材は交換する方が結果的に安くつきます。検査では、旧仕様のまま使用している部材は是正指導を受けやすい印象があります。最終判断は「元請・労基署・専門家との協議」が必要です。
(参照:労働安全衛生規則 第570条(鋼管足場

まとめ:迷ったときの判断フローとメッセージ

最後に、この記事のポイントを5つに絞ってまとめます。

  1. クサビ一側足場と単管ブラケット足場は、どちらも「一側足場」系だが、構造・用途・設計の考え方が違う足場である。
  2. 一側足場は法令上も「例外的な足場」であり、壁つなぎ・控え・斜材・昇降設備・手すり等の上乗せ安全が前提条件となる。
    (参照:労働安全衛生規則570条
  3. 短期・標準的な改修や配管まわりではクサビ一側がコスト・工期で有利になりやすい一方、変則形状・長期工事では単管ブラケットの自由度が活きる。
  4. 足場種別の選定だけでなく、点検・記録・教育の仕組み化が、転倒・墜落・是正指導のリスクを大きく減らす。
  5. 迷ったときは、「高さ」「周囲条件」「工期」「作業内容」「安全余裕」をチェックシートで可視化し、元請・監理・レンタル業者と一緒に悩むプロセス自体が安全につながる。

私自身、この記事を書きながら、
「一側足場って、楽なようで実はかなりシビアな足場だよなあ…」と改めて感じました。

この記事が、あなたの現場で

  • 安全性をもう一段引き上げること
  • 無駄なやり直しやトラブルを1件でも減らすこと
  • そして、現場の職人さんたちが少しでも安心して仕事ができること

につながれば、本当にうれしいです。

もし「この記事、ちょっと役に立ったな」と感じていただけたら、
また別の記事も読んでみてください。
あなたの現場の相棒として、“ISHIDA DESIGN OFFICE のファン”になってもらえたら光栄です。

今日も、安全第一でいきましょう。

一側足場と職人の安全作業を温かい雰囲気で表現したメッセージイラスト
今日も、安全第一でいきましょう。(ISHIDA DESIGN OFFICE)

参考・出典リスト(原典系のみ)


 


※最終更新日:2025年11月20日


👤この記事の執筆者/監修

ISHIDA DESIGN OFFICE
代表 I.D.O(仮設設計技術者/足場組立作業主任者)

  • 建設業歴30年以上、仮設設計・点検・講義実績多数・仮設設計技術者
  • 厚労省・仮設工業会の最新基準に基づき執筆

仮設設計・CAD作図・構造チェックのご依頼はこちら:
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