
ISHIDA DESIGN OFFICE 作成
現場で足場見積が「是正」されると、こうなります。
- 数量や単価を説明できず、会議が長引く
- 元請や監査の指摘が怖くなり、記録が増えて時間が消える
- 是正対応で協力会社との関係もギクシャクする
- 最後に“回収不能”が残り、利益が薄くなる
ここで大事なのは、是正の原因が「積算が下手」だからではない点です。
見積が是正される現場には“共通の構造”があります。
私は仮設設計に関わる中で、現場監督や管理者から相談を受けることがありますが、
是正が起きるときはたいてい「数字そのもの」よりも、
前提・根拠・記録の欠落が問題になっています。
この記事では「断定しすぎない」「現場差がある前提で言う」「相談の中で多い傾向として述べる」など、誤解を生まない書き方を守ります。
この記事では、現場監督のAさん(35歳)を想定して、盲点を3つに絞って深掘りします。怖い話で終わらせません。
是正フロー+記録+再発防止まで落とします。
「個別案件の適否は現場条件で変わります」

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- 1 30秒結論(監督向け)
- 2 盲点①「数量」ではなく「前提」がズレている
- 3 盲点②「是正」は“数字の修正”ではなく“説明責任の修正”
- 4 盲点③「回収不能」は“単価”ではなく“抜け”で起きる
- 5 是正フロー(この順番だけ)——数字より先に“形”を整える
- 6 記録として残す“3点セット”(監査・事故後に耐える)
- 7 Dパート:抜けを止める「計算の型」——これだけは固定する
- 8 AIは“答え”を出せる。でも“根拠と記録”は残せない
- 9 無料DL→PRO購入へ
- 10 PRO版は「見積を作る道具」ではなく「是正されない状態を目指しリスクを下げる道具」
- 11 内部リンク(関連記事)
- 12 よくある質問
- 13 まとめ あなたは、すでに「守る側」に立っている
30秒結論(監督向け)
① いま最優先で止める条件(危険サイン)
- 「数量は合ってるはず」なのに説明ができない
- 仕様・メーカー・現場条件の前提が言語化できていない
- 是正後の根拠(写真/チェック表/署名)が残っていない
② 是正フロー(順番だけ)
作業/見積提示を一旦止める → 前提の差分を洗い出す → 根拠を揃える → 数字を再計算 → 記録3点セットを残す → 関係者共有 → 次回の型に固定
③ 記録として残す最低限(写真+チェック+署名)
- 写真:根拠になる画角で3枚
- チェック表:抜け防止(項目固定)
- 署名:誰がいつ確認したか(点検者/責任者)
今すぐ現場で回せる:無料Excel(FREE)で「根拠が残る形」を作る
見積金額が合っていても、「なぜこの金額か?」を説明できる形が残っていないと、
監査・元請確認・トラブル対応で一番苦しくなります。
このテンプレートは、条件→計算→確認を一つの流れで残し、
あとから第三者に説明しやすい状態を作るための実務用ツールです。
- 無料Excel(FREE):数量・日数・人員などの条件を整理し、見積の「根拠」を残しやすくする基本テンプレート
- 運用ポイント:PDF保存+作成者/確認者の記録を残すと、説明責任の強度が上がります
- こんな時に有効:元請へ提出前の社内確認/指摘が入った時の再計算
盲点①「数量」ではなく「前提」がズレている

説明責任を支える事前確認の重要性を示す。
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見積の打合せでよく起きるのが、これです。
「数量は合ってます。図面もあります」 「でも、その前提が違うよね?」
たとえば、同じ“クサビ足場”でも、前提がズレるポイントは山ほどあります。
- メーカー仕様(部材体系/標準構成/推奨の考え方)
- 現場条件(狭小、搬入制限、養生、夜間、改修特有の制約)
- 安全上の上乗せ(落下防止、手すり、先行手すり、巾木、メッシュ等)
- 設置条件(壁つなぎの想定、控え、補強、開口、段差)
このとき現場監督が苦しくなるのは、「どれが正しいか」ではなく、
“こちらの前提を説明できないこと”です。
AIに質問すれば、その場ではそれっぽい答えが出ます。
ただ、AIは現場ごとの前提差や、元請・協力会社の合意事項をあなたの代わりに
証拠として残してくれません。
Googleも「人の役に立つ、信頼できるコンテンツ(people-first)」や、経験・専門性・権威性・信頼性(E-E-A-T)を重視する姿勢を明確にしています。
同じで、現場も“信頼できる根拠”がないと通りません。
典型NG
- 口頭だけで「いつもこうだから」と説明する
- 図面はあるが、見積の計算根拠が紐づいていない
- 写真や記録がなく「是正したつもり」になっている
盲点②「是正」は“数字の修正”ではなく“説明責任の修正”
是正されると、数字を直すことに意識が全部持っていかれます。でも本当は、説明責任を直すのが先です。
私が相談を受ける中で多いのは、是正の場面で次の質問が出たときです。
- 「その数量の根拠は?」
- 「その単価の前提は?どの条件?」
- 「安全経費・回送・養生・残材引取はどこに入ってる?」
- 「誰が確認した?いつ?記録は?」
ここで詰むのは、“計算”ができないからではありません。「説明できる形」に落ちていないからです。
そして、この“説明できる形”の最短ルートは、後で紹介する
Excelで根拠と記録を固定化することです。
「是正したつもり」をゼロにする:無料Excelで“記録が残る運用”を先に作る
指摘が入った後に強いのは、「言った/言わない」ではなく記録と根拠が残っている状態です。
まずは無料版で、条件→計算→確認の流れを“毎回同じ型”にしておくと、是正が来ても立て直しが速くなります。
盲点③「回収不能」は“単価”ではなく“抜け”で起きる
最後に一番痛い話です。見積が是正された現場で、利益を削るのは単価よりも抜けです。
抜けは、こういう形で来ます。
- 回送便数(往復・追加便)が曖昧
- 待機・延期・夜間など条件差が計上されていない
- 養生・保安・落下防止・安全経費が分離されていない
- 残材引取、清掃、追加部材、運搬制約が見積に無い
- 元請の要求仕様(先行手すり等)が後出しで増える
- 記録がなく、追加分の説明が通らない
ここでAIの限界がはっきり出ます。AIは「抜けポイントの候補」は出せますが、
あなたの現場条件で抜けを減らすための“入力の型”にはなりません。
だから、最終的に強いのは「誰がやっても再現しやすい型になる事」です。
是正フロー(この順番だけ)——数字より先に“形”を整える
是正が来たら、これで動くのが最短です。
- 止める(判断) 会議で押し切らない。まず前提の差分を確認する。
- 責任者点検(前提の棚卸し) メーカー仕様・現場条件・元請条件の差分を箇条書きにする。
- 是正(根拠を揃える) 差分を数字に落とす。「どこが増減したか」を見える化。
- 記録(写真+チェック表+署名) “説明できる形”で残す。
- 再点検→共有→再発防止(型に固定) 次回も同じミスを起こさないよう、入力欄とチェック欄を固定化。
この順番にすると、会議で強くなります。なぜなら「数字の勝負」ではなく「根拠の勝負」に持っていけるからです。
記録として残す“3点セット”(監査・事故後に耐える)
1)写真:3枚で伝わる構図
- 全景:対象の範囲が分かる
- 要所アップ:取り合い・危険箇所・仕様の要点
- 数量が分かる画角:スパンや本数が読み取れる

見積是正を防ぐための「写真・チェック表・署名」の記録管理を示すイメージ。
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2)チェック表:5〜8項目だけ固定する
例)
- 対象工区/日付
- 前提(メーカー・仕様)
- 数量根拠(計算の考え方)
- 抜けチェック(回送/安全経費/養生/残材引取…)
- 是正内容(増減の内訳)
3)署名:誰が・いつ・どの立場で
- 点検者
- 責任者(監督)
- 必要なら協力会社確認
ここまで揃うと、監査・説明責任に耐えやすい“形”になりますし、説明時に有利になります。
Googleが言う「信頼できる情報」や「良いページ体験」の考え方は、現場の説明責任にも似ています。
※Web側ではINPなど体験指標が重視されるように更新されています(FID→INP)。
Dパート:抜けを止める「計算の型」——これだけは固定する
ここからは“金の話”に寄せます。是正が起きる現場ほど、次が弱いです。
抜けポイント(最低7つ)
- 回送(便数/往復/追加便)
- 待機・延期
- 夜間・休日
- 養生・落下防止
- 安全経費(保安・管理)
- 残材引取・清掃
- 追加部材(先行手すり等の要求増)
- 搬入制約(小運搬・分割)
この7つを毎回ゼロから考えるのが、一番コストです。だから「チェック欄」+「入力欄」を固定化します。
AIは“答え”を出せる。でも“根拠と記録”は残せない
ここを、はっきり言います。
AIは、その場の相談には強い。ただ、現場で守ってくれるのは
“残っている証拠”です。
- AIのチャット履歴は、監査では証拠になりにくい
- 条件差が混ざると、答えがブレる
- 誰がいつ確認したかが残らない
- 次の現場で再現できない
だからこそ、最終的に必要なのは、
「計算の型」+「説明の型」+「記録の型」を、Excelで固定化することです。
無料DL→PRO購入へ
- 今日の是正を“形”にして通す
- 次から同じ是正を起こさない
まず①のために、無料DLを置きます。押し売りではなく、抜け防止の道具としてです。
| できること | 無料DL(チェックシート) | PRO版(見積Excel) |
|---|---|---|
| 抜けチェックの抜け防止 | ○ | ○ |
| 記録(氏名・日時・メモ) | ○ | ○ |
| 数量・単価・内訳の自動計算 | × | ○ |
| 回送・安全経費の反映と再計算 | × | ○ |
| 「説明用の根拠」をそのまま資料化 | △ | ◎ |
| 担当変更しても同じ品質で再現 | △ | ◎ |
そして②に進む段階で、多くの現場が詰まるのがここです。
- チェック表は作れた
- でも、見積の根拠(内訳・増減)が毎回バラバラ
- 共有するたびに説明コストがかかる
- 担当が変わると再発する
この状態を終わらせるのが、見積ExcelのPRO版です。
“根拠の固定化”まで進める:無料→PROで「是正されにくい状態」を目指す!
無料版で「抜け」が減ったら、次は根拠を毎回作らない運用です。
見積の説明を“毎回ゼロから”作るのが辛くなったタイミングで、PRO版が効きます。
PRO版は「見積を作る道具」ではなく「是正されない状態を目指しリスクを下げる道具」
PRO版で強いのは、派手な機能ではありません。“現場で揉める原因”を先に潰す設計です。
- 前提を入力欄で固定できる
- 抜けポイントをチェックで塞げる
- 数量・単価・安全経費の根拠が追える
- 記録(日時・担当・メモ)を残せる
- 説明が「口頭」から「資料」に変わる
つまり、見積が是正される本当の原因である 前提/説明責任/抜けを、仕組みで止めやすくします。
内部リンク(関連記事)
→ 根本原因と是正手順の記事はこちら
→ 回収不能(損失の見える化)の記事はこちら
よくある質問
A. 前提(仕様・条件)がズレている、または根拠と記録が残っていないケースが多いです。
A. 全景/要所アップ/数量が分かる画角の3枚で十分です。
A. だからこそ“チェック欄の固定化”が効きます。最低限の欄だけ埋めれば回る形にします。
A. 相談には有効です。ただ、監査や是正で守ってくれるのは「証拠として残る形」です。AIはそこを代替しにくいです。
まとめ あなたは、すでに「守る側」に立っている
まず、はっきりお伝えしたいことがあります。
あなたは、手を抜いているから是正されるのではありません。
むしろその逆です。
「ミスがないように」
「現場で迷惑をかけないように」
「説明できるようにしておきたい」
そう考えてこの記事をここまで読んでいる時点で、
あなたはもう“守る側の監督”です。
見積是正の原因は、単純な数量ミスだけではありません。
本当の盲点は、
- 前提のズレ
- 説明責任の弱さ
- 抜けの積み重ね
この3つでした。
そして、是正に強い人は「数字」で戦いません。
順番で戦います。
止める → 棚卸し → 是正 → 記録 → 共有 → 型に固定する
この流れを持っている監督は、会議で強くなります。
なぜなら、“感覚”ではなく“根拠”で話せるからです。
記録も難しいことではありません。
- 写真
- チェック表
- 署名
この3点セットがあるだけで、
あなたの見積は「言葉」から「証拠」に変わります。
それは、あなたの仕事を守り、協力会社を守り、そして会社の利益を守る力になります。
あなたは、もう十分に努力しています
毎日現場で判断し、
安全を考え、
数字を合わせ、
関係者を調整し続けている。
それだけでも、十分に尊敬される仕事です。
だからこそ、あなたが余計な是正や説明で消耗しないように、
「型」を持ってほしい。
行動はシンプルでいい
- まずは無料DLで、抜けを止める
- 是正と説明のストレスが減る
- 「毎回作り直すのが辛い」と感じたら、PROで固定化する
これは“売るための流れ”ではありません。
あなたの負担を減らすための順番です。
現場を守る監督が強くなること。
それがこのブログの目的です。
もしこの記事が少しでも役に立ったなら、
これからも一緒に“是正されにくい現場”を作っていきましょう。
あなたの仕事は、価値があります。
その価値を、ちゃんと守れる形にしていきましょう。
ISHIDA DESIGN OFFICE は、
そのための“型”をこれからも発信していきます。

是正されにくい現場づくりを象徴するまとめビジュアル。
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※記事更新日:2026年02月17日 写真の追加
※記事作成日:2026年02月16日
参考・出典リスト(省庁・規格・メーカーのみ)
・厚生労働省「労働安全衛生法」「労働安全衛生規則」
・厚生労働省「足場からの墜落・転落防止対策に関する通達」
・仮設工業会「仮設工業会 技術指針」
・国土交通省「建設工事標準仕様書」「施工管理・安全管理指針」
この記事の執筆者/監修
ISHIDA DESIGN OFFICE
代表 I.D.O(仮設設計技術者/足場組立作業主任者)
建設業歴30年以上。仮設設計・点検・講習の実務経験有。仮設設計技術者。
厚労省・仮設工業会の最新基準に基づき執筆
