足場業者の探し方がわからない…
知り合いの工務店に任せて大丈夫?
価格や信頼性、どう見分ければいいの?
リフォームや新築、塗装工事などで業者に相談すると、ほぼ確実に出てくるのが「足場工事」。でも、足場業者の探し方は意外と知られておらず、価格や対応で後悔するケースも少なくありません。
この記事では、30年以上建設現場に関わってきた仮設設計アドバイザーの視点から、初心者でも安心して読める「信頼できる足場業者の探し方」と「失敗しない選び方」をわかりやすく解説します。

1. なぜ足場業者の選び方が重要なのか?
「足場って、ただの作業用の足元でしょ?」
いえ、工事の品質と安全を守る最も重要な基盤です。
足場は以下のような工事で必要になります:
屋根の補修・葺き替え
窓・バルコニー修繕
新築や解体作業 など
仮に足場が不安定だと、職人の動きが制限されてしまい、
- 工事の仕上がりが悪くなる
- 落下事故の危険が高まる、
などの問題が発生します。
足場の安全性については、厚生労働省の労働安全衛生規則第563条で手すりの設置や幅・構造に関して詳細に定められています。
業者がこの法令をしっかり理解し、遵守しているかは信頼性を測る重要なポイントです。
【参考】厚生労働省|労働安全衛生規則 第563条
足場工事は、工事のスタートと安全を担う縁の下の力持ちなのです。
だからこそ、「どんな業者に足場を依頼するか」で、その後の工事のスムーズさと安全性が大きく変わります。

2. 足場工事の相場と適正価格の見抜き方
「安ければOK」と思っていませんか?
実は、相場を知らないと損をすることも…。
足場業者に依頼する際の価格目安(2024年相場)
足場の種類 | 単価目安(㎡あたり) |
---|---|
くさび式足場(戸建て・低層向け) | 約800~1,200円 |
枠組足場(中高層・ビル向け) | 約1,000~1,500円 |
上記に加えて、以下の費用がかかることが多いです:
- 資材運搬費
- 養生シート・メッシュ費
- 図面作成・安全書類費
- 狭小地・変形地対応費
注意:「一式〇〇万円」という見積もり
項目が細かく記載されていない場合、後から追加費用が発生するリスクがあります。
見積書が細かく、面積や単価、項目ごとに明記されている業者を選ぶこと。
国土交通省も「建設業法に基づく取引の適正化ガイドライン」の中で、詳細な見積もりと書面契約の重要性を明示しています。
「一式」だけの見積もりは、後からトラブルになる原因の一つとして指摘されています。
📚【参考】国土交通省|建設業法令厳守ガイドライン
📚【参考】ASNOVA|足場業者の選び方
公共工事で使用される設計労務単価や足場の標準単価も、国土交通省が毎年公表しています。これらを参考に、過度に高い・安い金額でないか判断する材料になります。
📚【参考】国土交通省|公共工事設計労務単価

3. 信頼できる足場業者の特徴とは?
足場業者の探し方で迷ったら、以下のような特徴に注目してください。
明細付きの見積書を出してくれる
- 単価・面積・運搬費・養生費が明確
- 説明が丁寧でわかりやすい
保険加入済(労災・賠償)を提示
- 万が一の事故時も対応可能
作業員の服装やマナーが良い
- 挨拶、安全帯、ヘルメット着用など基本ができている
過去の施工実績・写真を見せてくれる
- 実績を提示できる業者は信頼度が高い
実績・保険・説明力・現場マナーの4点で判断する。
📚【参考】柊栄|足場業者選びで失敗しないために

4. こんな足場業者は避けたい!失敗例と注意点
こんな足場業者には要注意!失敗しやすい4つのパターン
1. 「見積もり一式」で詳細が不明
- リスク:工事後に「これは別料金です」と追加請求される可能性あり。
- 対策:単価・面積・部材費・運搬費など、項目ごとの明細付き見積もりを出してもらいましょう。
2. 契約を急かしてくる
- よくあるセリフ:「今すぐ決めてくれたら安くします!」
- リスク:冷静な判断ができず、不要な契約をしてしまう。
- 対策:複数業者と比較して、時間をかけて検討しましょう。
3. 保険内容の説明が曖昧
- 問題点:労災や賠償責任保険に未加入の場合、事故時の責任が不明確になる。
- 対策:保険加入証明書の提示を求め、「労災保険」「請負賠償責任保険」の両方を確認しましょう。
4. 作業員のマナーが悪い
- 例:ヘルメット未着用、大声、喫煙など
- リスク:近隣住民とのトラブルや、現場の安全意識の低さにつながる。
- 対策:契約前に実際の現場や施工実績を見せてもらいましょう。
覚えておきたいワンポイント
安さや勢いに流されず、**「説明の丁寧さ・誠実さ・証拠資料の有無」**で業者の本気度を見極めましょう。
この形式で掲載すれば、読者がすぐに「どこが危険で、どう対策すべきか」を理解できます。イラストやチェックリスト風のデザインを添えるとさらに効果的です。必要なら、イメージ画像も生成します!
「急がせる・曖昧・マナーが悪い」業者は避けるべき。

5. 契約前に必ず確認したいポイント
見積もりや説明を受けて「大丈夫そう」と感じても、契約は慎重に進めるべき最終ステップです。
あとから「聞いていなかった」「そんなはずじゃ…」とならないように、以下のポイントを改めて確認しましょう。
見積書に明細があるか
- 養生費、解体費、搬入費などの細かな費用が記載されているか
→ 「一式」表記だけでは後から追加費用が発生するリスクがあります。
保険(労災保険・請負賠償責任保険)の加入有無
- 万が一の事故に備えた保険に適切に加入しているかを確認しましょう。
→ 曖昧な説明ではなく、保険証書の提示があると安心です。
工事日程・工期が明記されているか
- 足場の設置・解体の日程は、他の工事業者とのスケジュールにも関わる重要事項です。
支払い条件の明確化
- 着手金の有無、支払いのタイミング、キャンセル時の対応などを事前に書面で確認。
→ 契約後のトラブル防止につながります。
しっかり確認したうえで契約することが、工事を成功させる第一歩です。
少しでも疑問点があれば、その場で質問し、不明な点を残さないようにしましょう。
契約書や見積書を読み込み、不明点はその場で聞く!

6. 費用を抑えるための3つの工夫
足場工事は、決して安い出費ではありません。
ですが、事前のちょっとした工夫によって、無駄なコストを抑えることが可能です。
複数社から相見積もりを取る
「とりあえず知っている業者に頼もう」と1社だけで決めていませんか?
実は、最低でも2〜3社から相見積もりを取ることが非常に重要です。
業者によって、同じ規模・同じ条件の足場でも
- 単価
- 対応の丁寧さ
- 保険の有無や範囲
などに違いがあるため、比較検討することで適正価格とサービスのバランスが見えてきます。
複数の工事を同時に依頼する
例えば、「外壁塗装は今」「屋根は来年」と工事を分けてしまうと、
その都度足場を組む必要があり、足場費用が二重にかかってしまいます。
外壁・屋根・雨樋など、足場を必要とする工事が複数ある場合は、一括で依頼することで、
足場の設置・解体が1回で済み、トータルでのコストを大幅に削減できます。
地元の業者を優先的に検討する
「大手だから安心」と思いがちですが、地元密着型の業者にも大きなメリットがあります。
- 運搬距離が短いため、資材運搬費が抑えられる
- トラブルや確認事項にも、迅速に対応してくれることが多い
さらに、地域に根ざした企業は丁寧な対応や適正価格を重視している場合も多く、信頼性が高い傾向にあります。

7. 業者選びに役立つチェックリスト
チェック項目 | ○ / × |
---|---|
見積書に詳細があるか | ○ |
保険の加入証明があるか | ○ |
契約書に工期・範囲が明記されているか | ○ |
口コミや施工実績が見られるか | ○ |
作業員のマナーが良いか | ○ |
契約を急がされていないか | ○ |

8. まとめ|後悔しない足場業者の探し方とは
足場業者の探し方で大切なのは、価格だけでなく、
- 誠実な対応
- 保険の有無
- 丁寧な説明とマナー
といった**「見えない部分」までしっかり確認すること**です。
足場工事は価格やマナーだけでなく、法令をしっかり守っているかも重要な判断基準です。厚労省や国交省の指針を参考にすることで、より安全・安心な選択ができます。
迷ったときは、この記事のチェックリストと探し方のコツを参考に、「この人たちになら任せても安心」と思える業者を見つけてください。

「足場図面作成」対応可能です
ISHIDA DESIGN OFFICEでは、足場図面作成や、仮設計算を行っております。
この記事を書いた人
仮設設計士 I.D.O|ISHIDA DESIGN OFFICE 代表
九州、全国を拠点に、足場計画・仮設設計を1200件以上担当。現場でのトラブル解決などの豊富。わかりやすさと信頼性を重視した情報発信を行っています。
最終更新日:2025年5月21日