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【2025年最新版】クサビ足場の壁つなぎは計算書が義務!命を守る構造設計と最新法令まとめ

目次

「壁つなぎ」とは何か?【初心者にもわかる基礎知識】

壁つなぎの収まり
壁つなぎの収まり

30秒結論

壁つなぎで 最低限ここだけは外さない という確認ポイントは、次の3点です。
時間がない現場でも、この順で見れば判断を誤りにくくなります。

① 計算書(設計の根拠を確認)

  • 設計者名・押印があるか

  • 採用している条件(基準風速・地域区分・シート有無)が現場と一致しているか

  • 壁つなぎの 許容荷重と実際にかかる荷重 が比較されているか

「なぜこの本数・この間隔なのか」を説明できる状態かがポイントです。


② 図面(数量・位置・ピッチを確認)

  • 壁つなぎの 本数・取付位置 が図面上で明確になっているか

  • 水平ピッチ・垂直ピッチが、計算書の条件と合っているか

  • 現場の実際の足場高さ・形状とズレていないか

 図面は 現場への指示書
計算書と食い違っていれば、その時点で要注意です。


③ 現場記録(写真+是正フロー+署名)

  • 実際に設置された壁つなぎの 写真が残っているか

  • 指摘や是正があった場合、
    「作業中止 → 点検 → 是正 → 記録 → 再開」の流れが追えるか

  • 責任者の署名・日付が明確か

 口頭の「直しました」では残りません。
記録があるかどうかが、監督を守る分かれ目です。


小まとめ

壁つなぎの安全は
根拠(計算書)・指示(図面)・証拠(現場記録)
この3つがそろって、初めて成立します。

「壁つなぎ」とは、足場が建物から離れて倒れないように、建物に固定する安全金具のことです。仮設足場の構造を支える極めて重要な部材であり、風荷重対策の核心でもあります。

なぜ必要なのか?
1,
強風による足場倒壊を防ぐ
2,
作業中の揺れやバランス崩れを抑える
3,法令で設置が義務づけられている

経験や感覚での設置はNG!
近年では、事故防止のため構造計算書に基づく設計と記録が求められています。

 

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壁つなぎには「構造計算書」が絶対に必要

足場のシートに作用した風荷重が壁つなぎを通じて建物に伝達される流れを示した図解
シートに受けた風の力は、最終的に壁つなぎへ集中します。

 

何を計算しなければならないのか?

1,現場の基準風速と補正係数(例:横浜市 V₀=18m/s)
2,設計用風速・速度圧
3,壁つなぎ1本当たりの許容荷重と実荷重
4,壁つなぎ本数と取付け位置
5,設計判断の根拠(仮設工業会技術指針への準拠)

① 風荷重(風による力)

建設現場における壁つなぎの設置で最も重要なのが風圧荷重に耐える設計です。
仮設工業会の技術指針に基づき、以下の要素を考慮して計算されます:

実例

要素内容
基準風速 V0V_0地域により異なる標準風速横浜市:18 m/s
瞬間風速係数 SS高さや周辺環境による補正例:1.59
メッシュシートの充実率 φφ風の抜けやすさφ = 0.7(70%目詰まり)
形状補正係数 RRシートの縦横比など例:0.605
設計用速度圧 qzq_z実際に足場にかかる圧力511.9 N/m²

壁つなぎの構造計算書で監督が最初に確認すべき5項目をまとめたチェックリスト図
計算書を見るときは、この5点を最初に確認するだけで判断の軸がブレません。

② 壁つなぎに作用する力

壁つなぎ1本あたりが支える風力が許容値(例えば5733N)を超えないようにする必要があります

 例:壁つなぎ1本にかかる風力の計算

風力 = 速度圧 × 風力係数 × 面積
= 511.9 × 1.256 × 5.03
= 3233 N ≦ 5733 N → OK
参考記事:くさび式足場 積算と歩掛 完全ガイド【2025年版・現場監督向け】 
壁つなぎ本数や配置は、積算・歩掛とも密接に関係します。設計と原価を同時に整理したい方は、こちらも参考になります。

③ 壁つなぎの設置間隔(ピッチ)

参考記事:クサビ足場 壁つなぎ間隔の基本|安全基準と実務ピッチ【2025年版】
ここでは原則的な目安を示していますが、実務で使われるピッチの考え方や現場例は、以下で詳しく解説しています。
足場高さ別に壁つなぎの水平ピッチと垂直ピッチを立面図で示した配置例
足場高さによって、壁つなぎの水平・垂直ピッチの考え方は変わります。

仮設工業会の指針による原則的な設置基準は次の通りです

足場高さ水平ピッチ垂直ピッチ
~10m約5.4m(3スパン)約3.6m(2段)
10~31m以下約3.6m(2スパン)約3.6m(2段)

⚠ 実際は風荷重の計算結果により設置ピッチは変更されます。「目安」で設置するのは危険です。

これはあくまで「目安」。実際の設置ピッチは風荷重計算に基づいて変更されるべきです

 

壁つなぎの計算書
壁つなぎの計算書のサンプル
イラストによる 建築物の仮設計算 (改訂4版)
4.5

仮設の計算、これ一冊で安心!
『イラストによる 建築物の仮設計算(改訂4版)』は、足場や型枠支保工の計算が苦手な人でもスラスラ読めるやさしい解説書。
イラストと例題で、何をどう計算すればいいかがすぐにわかります。
CADで図面を描く人にもぴったり。
「計算書、ちゃんと合ってるかな…?」と不安な方に、自信をくれる一冊です!

遵守すべき法令と最新条文(2025年時点)

参考記事:仮設工業会の技術指針 “法律ではない”けど守らないと訴訟リスク?現場監督、図面作成者も必読!
壁つなぎの設計・計算の実務では、法令とあわせて「仮設工業会の技術指針」が重要な判断根拠になります。

【1】労働安全衛生規則 第564条(足場の構造)

足場は、必要な強度を有し、風等による倒壊を防止する措置を講じなければならない。

→ 壁つなぎと構造計算はこの義務の具体的実施項目です。

【2】労働安全衛生法 第20条(機械・器具の構造措置)

使用者は、作業者の危険を防止するため、機械・設備の構造上の安全措置を講じなければならない。

→ 足場も対象。壁つなぎの設置は「構造上の安全措置」に該当します。

【3】労働安全衛生規則 第563条(作業床の保護)

作業床の端には手すり等を設けること。

→ 足場の「横揺れ」や「変位」を抑える壁つなぎは落下防止策の一部です。

【4】建設業法 第26条(主任技術者の責任)

工事には、技術上の管理を行う者を置くこと。

→ 主任技術者や現場監督は、計算書の確認と設置の実施責任を持ちます。

 

壁つなぎの設計や是正対応で迷ったとき、現場で「根拠」として使える実務書が1冊あると安心です。条文だけでなく、考え方の整理に役立ちます。

「法令の条文は分かるけれど、実務でどう使うかが不安」 という現場監督・安全管理担当者に向けた、確認用の実務書です。

図解で早わかり 労働安全衛生法の基本と実務がわかる事典 改訂新版 表紙画像(令和7年法改正・電子申請対応)

  • 安全管理体制・安全衛生教育・点検や是正の考え方など、労働安全衛生法の基本事項を実務目線で整理
  • 労基署への報告書、各種届出、安全衛生規程のひな形・記載例を豊富に掲載
  • 令和7年の法改正・関連省令・ガイドラインに対応し、最新の実務判断を確認できる
  • 令和7年1月1日から義務化された労働安全衛生関係の電子申請についても分かりやすく解説

私はこの本を、「法令の最終確認をするときの裏取り資料」として使っています。 条文だけで判断するのではなく、 「監査や是正の場面で、どう見られるか」を整理したいときに、 一度立ち止まって確認できる一冊です。

また、QRコードを使って本文を音声で聴けるため、 通勤中や移動時間にインプットできる点も、忙しい現場担当者には助かります。

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計算書がない場合のリスク

壁つなぎ不備が指摘された場合の作業中止から是正・記録・再開までの流れを示したフロー図
是正は「作業中止 → 点検 → 記録 → 再開」の順で行うことが重要です。
是正対応は「やった」だけでは不十分です。写真とあわせて、現場で記録を残せる環境が重要になります。

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 労基署からの是正勧告
 元請会社による工事中断命令
 事故時の法的責任(重過失責任)
 労災保険・損保の支払い対象外になる恐れ

構造計算書は「命を守るドキュメント」であり、「安全の証拠」となります。

参考記事:足場点検完全ガイド|安全チェックリストと法令対応【2025年版】
是正を「口頭」で終わらせず、点検・記録として残す方法はこちらで整理しています。

ケーススタディー現場で実際に起きた3パターン

【事例①】メッシュシート追加 → 壁つなぎピッチ不足 → 是正

壁つなぎの設置不足や条件変更が原因で是正対応となり、確認・記録まで行う現場対応の流れを示した図解
条件変更や見落としは、確認・是正・記録まで行って初めて「説明できる安全」になります。

当初はシートなし想定で壁つなぎを設計・施工していた現場で、途中からメッシュシートを全面に追加したケースです。
図面や計算書は当初条件のままで更新されておらず、風荷重が増えたことに誰も気づかないまま施工が進行していました。

強風時に足場の揺れが大きくなり、元請の安全パトロールで指摘。
計算をやり直すと、既存ピッチでは不足が判明し、壁つなぎの追加設置と是正記録の作成が必要になりました。

シート変更=条件変更
設計条件と現場条件がズレた瞬間に、計算の前提は崩れます。


【事例②】立面図には指示あり → 現場未施工 → 写真なく説明不能

壁つなぎの計算書や施工記録がなく、現場監督が説明に困っている状況を示したイラスト
計算書・根拠・証拠が揃っていないと、現場では安全を説明できません。

壁つなぎの位置・本数は立面図に明確に指示されていました。
しかし、現場では一部箇所が未施工のまま工程が進み、監督も「図面通りのはず」と思い込んで確認を後回しにしていました。

後日の是正指摘で「計算書は?」「実際に付いている証拠は?」と問われましたが、
施工写真がなく、説明できず、結局は一度足場を止めて再確認・是正・再撮影という流れに。

図面と計算書があっても、
“写真による証拠”がなければ、現場では説明できません。


【事例③】ビル風を想定せず → 揺れ増大 → 追加壁つなぎ

ビル風が発生する立地で、足場に作用する風の流れと壁つなぎの追加設置を現場監督が確認している様子のイラスト
周辺建物による風の通り道は、壁つなぎ設計の前提条件を大きく変えます。

周囲に高層建物がある立地で、通常の基準風速だけで設計していた現場です。
特定方向からの風が抜ける「風の通り道」があり、想定以上に足場が揺れる状況が発生しました。

現場作業員からの申告で状況を確認し、壁つなぎを追加
結果的に安全性は確保できましたが、「立地条件を初期段階で拾えていれば防げた是正」でした。

数値上は問題なくても、
**現場条件(周辺建物・風の抜け)**で安全性は大きく変わります。


小まとめ

壁つなぎの問題は、
「計算がない」よりも「条件がズレている」ことで起きやすい

  • 条件変更(シート・高さ・立地)

  • 図面と現場のズレ

  • 記録(写真)の不足

この3つは、監督が最初に潰せるリスクです。


著者情報
※筆者は仮設足場の構造計算・是正対応に30年以上携わり、壁つなぎの設計変更・現場調整を多数経験しています。

 

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現場監督・設計担当者が確認すべき3項目

 1,壁つなぎの数量・位置・構造根拠が計算書に記載されているか
 2,現場で図面通りに設置されているかを写真等で記録しているか
 3,仮設業者に設計者印のある正式な計算書を提示してもらっているか
壁つなぎ確認に必要な計算書・図面・現場写真記録の3点をまとめて確認できる監督向け実務イメージ
迷ったらこの3点。計算・指示・証拠が揃えば、現場は説明できます。

よくある誤解とそのリスク

よくある誤解実際のリスクと正しい知識
「2階建てなら壁つなぎ不要」❌ シート面積が大きければ風荷重は想定以上に
「隣の建物が風よけになるから大丈夫」❌ 巻き込み風やビル風により風圧が倍増する可能性
「図面にはあるが現場にはついていない」❌ 是正対象。保険・労災支給対象外になることも
参考記事:クサビ足場の違反リスクと罰則まとめ|建設業法・労働安全衛生法の最新チェック
これらの誤解は、実際には「是正」「工事停止」「責任問題」に発展することがあります。
外壁と足場支柱を壁つなぎ金具で固定し、足場の倒壊を防ぐ基本構造を示した図解
外壁・金具・足場支柱を確実に固定することで、足場の安定性が保たれます。

まとめ|壁つなぎは命と法的責任を守る「証明書付きの安全装置」

壁つなぎは、足場を支える単なる部材ではありません。人の命を守り、現場を管理する立場の責任を支える「安全装置」です。

壁つなぎは「命綱」であり、
「法令」「構造的根拠」「記録」の3つが揃って、はじめて安全が保証されます。
計算書と図面があり、さらに現場で設置され、その状態が写真などで記録されていること
が重要です。

どれか一つでも欠けていれば、法的にも技術的にも不備と判断される可能性があります。

とはいえ、
「完璧な知識がなければ管理できない」ということではありません。
この記事で整理したように、

何を計算書で確認すべきか
図面と現場でどこを照らし合わせるか
どの段階で記録を残せばよいか

順番に押さえていけば、現場の判断は確実に安定します。

トラブルや是正、訴訟・損害賠償といったリスクの多くは、「知らなかった」よりも
「確認するポイントが整理されていなかった」ことから起きています。

このページは、
✔ 現場着工前の確認
✔ シート追加・条件変更時の再チェック
✔ 点検や是正対応時の見直し

といった場面で、何度でも見返して使える実務用の整理資料として作っています。
判断に迷ったときは、この記事に戻って確認の軸を整えることで、落ち着いて対応できるはずです。

安全は「気合」や「経験」ではなく、
根拠を積み重ねることで守られるものです。
壁つなぎの確認を、日常業務の一部として淡々と続けていくことが、
結果的に現場とあなた自身を守る一番確実な方法になります。

この記事が貴方のお役に立てればうれしく思います。

壁つなぎの安全確認に必要な計算書・図面・現場写真の3点を示したまとめ用イメージ
壁つなぎの安全は「計算書」「図面」「写真記録」の3つが揃って初めて成立します。

 

 

【更新履歴】

  • 2025/12/31:挿絵、コード変更、ケーススタディーの追加
  • 2025/12/10:記事変更
  • 2025/06/25:記事作成

この記事の執筆者/監修

👤この記事の執筆者/監修
ISHIDA DESIGN OFFICE
代表 I.D.O(仮設設計技術者/足場組立作業主任者)
• 建設業歴30年以上、仮設設計・点検・講義実績多数・仮設設計技術者
• 厚労省・仮設工業会の最新基準に基づき執筆
仮設設計・CAD作図・構造チェックのご依頼はこちら:
ISHIDA DESIGN OFFICE 公式サイト

 

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