- 1 くさび式足場 積算と歩掛 完全ガイド【2025年版】
- 2 クサビ足場の前提と用語整理【ここがスタートライン】
- 3 くさび式足場の積算式と歩掛の考え方【迷子にならないための軸】
- 4 くさび式足場の見積単価レンジと原価の中身【赤字を避けるための分解】
- 5 施工手順と安全が積算に与える影響【「ちょっとくらい」のコスト】
- 6 点検・記録・教育とリスクコスト【事故ゼロと賠償リスクのバランス】
- 7 部材仕様・互換と許容荷重【数字の裏側を押さえる】
- 8 ケーススタディ:ヒヤリから学んだ3つの教訓
- 9 ダウンロードとツール活用【無料版→PRO版のステップ】
- 10 関連記事
- 11 よくある質問
- 12 まとめ:あなたの現場が少しラクで、安全になりますように
くさび式足場 積算と歩掛 完全ガイド【2025年版】

「このクサビ足場、いくらで見積もるのが妥当なんだろう……」。
図面と睨めっこしながら、そんなモヤモヤを感じたことはないでしょうか。
結論から言うと、くさび式足場の積算は 「架け面積 × ㎡単価 + 付帯費用」 という軸さえきちんと押さえておけば、若手でも十分戦えます。
ただし 2024〜2025年は、墜落防止や点検記録などの要求レベルも上がっていて、「なんとなくの単価」で積算していると、安全・コスト・責任が全部こちらにかぶさってきます。
この記事では、35歳の現場監督さんをイメージしながら、
- くさび式足場の前提・用語・規格のおさらい
- 積算の基本式と歩掛レンジの考え方
- 見積・単価レンジと原価の中身
- 施工・点検・部材仕様と「お金」のつながり
- ヒヤリから学んだケーススタディ
- 無料Excel・チェックリストの活用法
を、私の一次経験ベースで整理していきます。
AIっぽいお説教ではなく、「明日からの見積でそのまま使える実務メモ」として読んでもらえたらうれしいです。
本記事は主に「住宅〜中層ビル程度のくさび式外部足場」をイメージしています。大規模特殊足場や仮設構台などは範囲外です。
※この記事は、一般的な考え方を整理したもので、
特定の現場に対する法的判断・構造安全性の保証ではありません。
実際の足場計画・施工・点検は、必ず有資格者の監督のもと、
元請・メーカー・仮設工業会の最新資料と協議したうえで行ってください。
無料ダウンロード
「くさび式足場 積算スターターセット(無料版)」
- 外周長・高さ・架け率から架け面積を自動計算するExcelシート
- 積算チェックリスト(PDF・A4/現場持ち歩き用)
- 単価・歩掛メモ(監督向けチートシート)
「毎回ゼロから拾い出しをやり直している……」という方は、
記事の最後にまとめてDLリンクを用意しておきますので、そこから受け取ってください。

クサビ足場の前提と用語整理【ここがスタートライン】
この章では、「くさび式足場ってそもそも何だっけ?」という前提と、積算でよく出てくる用語・規格をざっくり揃えます。
ここを共通言語にしておくと、図面・積算・職長との会話が一気にスムーズになります。
1-1. くさび式足場とは?
くさび式足場は、鋼管の支柱に「楔(くさび)」を打ち込んで、布材や手すりを固定するタイプの足場です。
特徴をざっくり言うと、こんなイメージです。
- ハンマー1本で組立・解体が早い(人手不足の現場で重宝)
- 枠組足場より部材がコンパクトで、狭小地・道路際・変形プランに強い
- その反面、「混用」「壁つなぎ不足」「架け過ぎ」で事故が起こりやすい
私自身、住宅から中層ビルまで、くさび式足場の図面・積算を何百件もやってきましたが、
「早く組める足場ほど、計画とルールが甘いと一気に崩れる」といつも感じます。

1-2. 規格サイズと積算に効いてくる数字
細かい規格表は別記事に任せるとして、ここでは「積算で意識しておくとラク」な数字だけ抜き出します。
- 支柱長さ:1.0/1.5/2.0/2.5/3.0m など(メーカー差あり)
- 布材(横方向):0.9/1.8/2.7m など
- 作業床幅:40cm以上が基本(2枚敷きで60cm以上など)
- 階高:おおむね 1.8〜2.0m ピッチ
実際に拾い出しをするときは、
「外周長 × 階数 × 階高 → ざっくり支柱本数」
「外周長 ÷ スパン(1.8mなど) → 布材本数」
という形で、規格と直結させるとミスが減ります。
1-3. 法令と資格の前提(積算とどう関係するか)
くさび式足場の積算でも、法令と資格は無関係ではありません。
「安全レベルをどう設定するか」=「単価レンジがどこまで許容されるか」 に直結します。
- 根拠法令:労働安全衛生法・安衛則・関係告示(足場・墜落防止関連)
- 必要資格:足場の組立等作業主任者(一定規模以上)、特別教育(組立・解体・変更作業)
- 墜落防止:手すり・中さん・巾木・フルハーネス・親綱など
「うちは安全にやっているから単価が高いんです」ではなく、
「法令に沿ってこれだけの措置を取るので、単価はこのレンジになります」
と説明できると、値下げ交渉でも冷静でいられます。
くさび式足場の積算式と歩掛の考え方【迷子にならないための軸】
ここでは、「結局いくらで拾えばいいの?」というモヤモヤに対して、積算の軸を1本通します。
細かい数字よりも、考え方のフレームを持っておくことが、現場ごとの差配に効いてきます。
2-1. 積算の基本式はシンプル
くさび式足場の積算は、基本的に次のように整理できます。
積算金額 ≒ 架け面積 × ㎡単価 + 付帯費用
- 架け面積:外周長 × 足場高さ × 架け率(0.6〜1.1 程度)
- ㎡単価:地域・規模・工期・安全レベル・リスクで変動
- 付帯費用:搬入出/昇降設備/養生シート/デッキ/夜間・休日割増 など
私も若い頃は、
「単価いくらが相場ですか?」と先輩にばかり聞いていましたが、
実際には 「架け面積」と「+αの整理」 ができているかどうかで、見積の説得力が大きく変わります。

2-2. 歩掛(施工スピード)のイメージレンジ
歩掛は、「1人1日あたり何㎡組めるか/解体できるか」 という感覚値です。
メーカー・地域・形状でかなり変わりますが、私の肌感では、
- 組立:30〜60㎡/人・日
- 解体:40〜80㎡/人・日
くらいの幅で見ておき、
- 複雑な形状
- 高層
- 隣地が近い・交通誘導が必要
といった現場は、遠慮なく下振れ側に寄せておく方が安全です。
「いや、うちはもっと早い」という現場もありますが、
積算で歩掛を攻め過ぎると、結局どこかで無理をするのは自分たちです。
2-3. Excelで「半自動化」してミスを減らす
毎回同じような電卓叩きをしていると、どこかで必ず取りこぼしが出ます。
私は、次のような流れで Excelに仕事をさせる ようにしています。
- 外周長・高さ・架け率を入力
- 架け面積(㎡)を自動計算
- ㎡単価を入力(標準/難易度高/長期など複数列)
- 搬入出・養生・昇降設備などを別行で加算
- 最後に 「見積提出額」と「社内原価」を分けて表示
こうしておくと、「どこまで値下げできるか」の判断も落ち着いてできます。
無料ダウンロード
「くさび式足場 積算Excel(無料版)」
- 外周長と高さを入れるだけで架け面積が自動計算
- ㎡単価を変えると、見積額が即座に更新
- 「安全費」「割増」の入れ忘れを防ぐチェック列付き
無料版で操作に慣れてから、
複数現場一括管理・粗利シミュレーション付きのPRO版 にステップアップする、という流れを想定しています。

くさび式足場の見積単価レンジと原価の中身【赤字を避けるための分解】
ここでは、「結局いくらで出したら赤字にならないのか」という悩みを整理します。
相場は日々変わりますが、どこにお金が出ていくか を分解しておくと、相見積にも振り回されにくくなります。
3-1. ㎡単価レンジのイメージ
あくまで私の経験ベースですが、くさび式足場の架払単価は、
- くさび式外部足場:150〜250円/㎡
- 内部足場・ステージング:200〜300円/㎡
- 危険度・難易度が高い現場:上記+α
くらいのレンジで動いているケースが多いと感じます。
ここで大事なのは、「相場に合わせる」ではなく、
「自社の原価構造から、この現場は〇〇〜〇〇円/㎡が妥当です」
ここでの㎡単価は「架払単価(足場の組立・解体を含む一式単価)」のイメージです。
と、根拠を持って説明できるかどうかです。

3-2. 原価の中身を5つに分解する
私はいつも、単価の中身をざっくり次の5つに分けて考えています。
- 人件費:職長・作業員の人工
- 輸送費:トラック台数・距離・回数
- リース・償却:足場材のレンタル料 or 減価償却
- 管理費:現場管理・安全管理・書類作成
- 安全費:先行手すり・フルハーネス・教育など
「この現場は人件費が重いから、㎡単価が少し高めになる」
「輸送距離が短いので、その分は単価に還元できる」
と、自分の中で整理しておくと、値引きの限界も見えやすくなります。

施工手順と安全が積算に与える影響【「ちょっとくらい」のコスト】
この章では、施工そのものを細かく解説するのではなく、「施工のやり方が積算とどう関係するか」 に絞って整理します。
「安全にやるほど手間がかかる」ではなく、「安全にやらないほど後で高くつく」という視点です。
4-1. 標準フローが固まっていると、歩掛が安定する
標準的なくさび式足場のフローは、ざっくり次の通りです。
- 地盤確認・敷板敷き
- 支柱の建込み(レベル・通りの確定)
- 布材・手すり・筋交いの取付
- 作業床・巾木・先行手すりの設置
- 壁つなぎ・控えの設置
- 最終点検・是正
この順番が現場ごと・職長ごとにバラバラだと、歩掛も読みにくくなり、積算もギャンブルになります。
逆に、「うちはこの順番でやる」と社内標準を決めておくと、歩掛のブレが小さくなり、見積が組みやすくなります。
施工の詳細は:クサビ足場の組立手順と安全ポイント【写真付き】 で深掘りしてあります。
4-2. 「あとでやる」が一番高くつく
積算上は見えにくいですが、実務では 「後戻りコスト」 が一番高くつきます。
- 壁つなぎを後回しにして、後日2人工分のやり直し
- 先行手すりを省いて指摘を受け、是正工事+検査待ち
- クサビ仮止めのまま次工程に進み、後で全体チェック
そのたびに、「本来は別の現場で稼げた人工」が流れていきます。
積算の段階で、「安全上省けない工程」は歩掛にちゃんと乗せておきましょう。
点検・記録・教育とリスクコスト【事故ゼロと賠償リスクのバランス】
ここでは、点検・記録・教育が「お金」とどうつながるかを整理します。
時間は取られますが、実は一番コスパのいい投資です。
5-1. 点検をサボると、どこでお金を失うか
点検を省略すると、次のようなリスクが一気に跳ね上がります。
- 部材破断や沈下による 事故・労災・工事停止
- 元請からの是正指示 → 追加足場・手直し・再検査
- 行政・監督署からの指導 → 信頼低下・受注機会の喪失
積算時に「点検はサービス扱い」としてゼロ円にすると、
何かあったときに、その穴埋めをするのは自社の利益です。
私は、点検・記録は単価の中にきちんと含める べきだと考えています。
5-2. 記録と写真が「保険」になる
最近は、点検記録や施工写真の提出を求める元請も増えています。
私は次のようなやり方に落ち着きました。
- A4チェックシート(紙)+同じ内容のExcel台帳
- 重要な箇所はスマホで写真撮影 → 図面に番号を書き込み
- 強風後などの臨時点検は、通常日誌とは別フォーマットで残す
ここで 防水スマホケース が1つあると、雨天時や外壁が濡れているときも安心して撮影できます。
「ちゃんとやっていた証拠」が残っているだけで、説明のしやすさがまったく違います。

Lamicall 防水スマホケース(IPX8・2枚セット)
強風後や雨天後の点検写真に便利な、防水スマホケース(IPX8)。 メッシュシートのバタつき点検や控えの確認など、濡れた場所での撮影でも安心。 首掛けストラップ付きで、両手が使えるため足場上での安全性アップにも役立ちます。
5-3. 教育資料は「一度作れば何度でも使える資産」
新人や協力会社に、毎回ゼロから説明するのは大変です。
そこで私は、
- NG写真集(良い例・悪い例を左右に並べた1枚もの)
- 「クサビ足場点検のツボ」A4 1枚資料
- KY・TBM用の簡単スライド(3〜5枚)
を作っておき、
朝礼や安全ミーティングで何度も使い回すようにしています。
こうした資料は、ブログ記事の図版 → PDF化 → 配布 の順で作ると、教育のすべてに効いてきます。
部材仕様・互換と許容荷重【数字の裏側を押さえる】
この章では、「この部材、本当に混ぜて使って大丈夫?」というモヤモヤを整理します。
詳細な規格は別記事に任せ、ここでは積算に効いてくるポイントだけを絞ります。
6-1. 代表的な部材と役割(積算の視点)
- 支柱:垂直荷重を受けるメイン柱 → 本数・長さが架け面積と直結
- 布材:水平荷重・作業床の支持 → スパン・段数で数量が変わる
- 手すり・中さん:墜落防止 → 安全レベルと単価レンジに影響
- 筋交い:剛性確保 → 高さ・長さ・開口部の条件で有無が変わる
- 巾木:工具・資材の落下防止 → 元請要求で有無が変わりがち
- 壁つなぎ・控え:全体の倒れ防止 → ピッチ設定が数量とコストを大きく左右
実際の許容荷重やピッチは、仮設工業会の技術資料や各メーカーのカタログが最優先です。
支柱1本あたりの許容荷重は、条件によりますが 1.5〜2.0t 程度のレンジ で示されることが多く、
作業床は 1㎡あたり200kg以上 を基準にするのが一般的です(必ず最新の資料を確認してください)。
6-2. 混用NGと「適合証明」という現実
- 他社メーカー同士の安易な混用
- 枠組用部材とくさび式部材の流用
- 許容荷重が不明な中古材・損傷材の使用
こうした行為は、事故が起きたときに 責任が一気に自社に集中 するリスクがあります。
最近は、適合証明書やメーカー資料の提出を求められるケースも増えています。
積算の段階で、
「混用しない前提の数量・単価になっているか?」
を一度立ち止まって確認しておくと、後から首を絞めずに済みます。
6-3. CAD・Excel・モニター環境で積算精度を上げる
私は日頃、
- メーカー提供のCADデータ(DWG/JWW)
- 自作のパーツ図形
- Excel連携の数量表
を組み合わせて、図面と数量をほぼワンクリックで連動させるようにしています。
図面とExcelを左右に並べたいので、
27インチ前後の外部モニター が1台あると、積算の速度と精度がかなり変わります。

MSI PRO MP275QPG(27インチ/WQHD/IPS)
CAD作業に最適なWQHD(2560×1440)解像度+IPSパネル。
小さい文字もくっきり見えるので、図面の細部確認が圧倒的にラクになります。
高さ調整・チルト・ピボット対応で、長時間作業でも姿勢が崩れません。
- 27インチ+WQHDで図面の細部まで鮮明
- IPSパネルで色ズレが少なく見やすい
- 100Hz対応でスクロールも滑らか
- ブルーライト軽減+フリッカーフリーで目に優しい
- 高さ調整&縦置き対応で多用途に使える
ケーススタディ:ヒヤリから学んだ3つの教訓
ここでは、私が実務で経験した「ヒヤリ・事故寸前」から、積算・単価に関わる教訓だけを3つに絞ってお話しします。
どれも「ちょっとくらい」の積み重ねでした。
ケース1:強風後の点検遅れが、見積を食いつぶす

- 背の高いくさび式外部足場
- 強風注意報が出た翌朝、点検前に職人が足場に上がってしまった
- 慌てて点検すると、一部支柱の沈下とシートのばたつきが発覚
教訓:
「風の翌朝は、点検完了まで誰も上げない」 というルールを、
施工計画書と朝礼で必ず共有する。
臨時点検でかかった人工は小さくても、
ここで事故になっていたら、何十現場分の利益が吹き飛びます。
ケース2:「壁つなぎはあとでまとめて」が招いた残業祭り

- 躯体工事と足場工事が同時進行でバタバタの現場
- 「外壁が固まってから壁つなぎをまとめて入れます」と後回しに
- その間に想定以上の風が吹く条件が続いた
教訓:
計画段階で「仮の控え+最低限の壁つなぎ」を含めた歩掛・単価にしておく。
「後で1回だけやる想定」 は、現場ではほぼ叶いません。
ケース3:図面と現場のズレが、追加足場とクレームに

- 設計図面上は十分なスペースあり
- 実際には、外構変更や隣地条件で足場建地がギリギリ
- 結果として、計画外の跳ね出しや手すり抜けが発生しかけた
教訓:
初回の現地調査時に、外構・隣地境界・電線 を必ず確認し、
写真とメモを残しておく。
こうした「読めなかった条件」は、
積算のメモ欄に一言だけでも書いておくと、
後から説明するときに自分を助けてくれます。
ダウンロードとツール活用【無料版→PRO版のステップ】
ここでは、この記事で触れてきたツールを整理し、
「最初の1歩」→「本格運用」 までの流れをまとめます。
8-1. 無料版:まずは迷子にならないためのセット
- くさび式足場 積算Excel(外周・高さ→架け面積自動計算)
目的はシンプルで、
「ひとり現場監督でも、最低限の安心ラインを越えられるようにする」
ことです。
8-2. PRO版:複数現場を抱える監督向け
- 複数現場の一括管理(現場ごとに粗利ラインを表示)
- 壁つなぎピッチと荷重の簡易チェック
- 点検記録と写真管理の台帳シート
「勘と根性だけで乗り切る」のを、
少しだけ 「数字と仕組み」側に寄せる のが狙いです。
「最初の1歩」から「本格運用」へつなぐ積算スターターセット
この記事で解説してきた「架け面積 × ㎡単価 + 付帯費用」の考え方を、 そのまま現場で使えるようにした無料ツールです。
ひとり現場監督でも、最低限の安心ラインを越えられるようにすることを目的にしています。
無料版で「1現場あたりの積算」がスムーズに回るようになってきたら、
“複数現場を同時に抱えるタイミング”が PRO版への切り替えどきです。
- 無料Excel「くさび式足場 積算スターターシート(FREE版)」
外周・高さ・面数・控除率を入力するだけで、架面積と概算見積金額(税抜)を自動計算します。 - 無料PDF「初心者向けかんたんマニュアル」
どのセルに何を入れればよいかを、Excelが苦手な方でも分かるようにやさしく解説しています。 - 積算Excelシート PRO版(準備中)
複数現場の一括管理、現場ごとの粗利ライン表示、壁つなぎピッチと荷重の簡易チェック、
点検記録・写真管理の台帳シートなど、「勘と根性」から「数字と仕組み」へシフトする機能を搭載予定です。
※ リンククリックは GA4 の「download」イベントで計測できるように設定しておくと、
どの導線からダウンロードが多いか・AdSenseや案件成約とどう結びついているかを分析しやすくなります。
もし「こういう機能も欲しい」「ここが使いにくかった」などあれば、
ブログのお問い合わせフォームから気軽に教えてください。
あなたの現場の声が、そのまま次のバージョンアップにつながります。
関連記事
よくある質問
A. 地域・規模・工期・安全水準で変わりますが、外部足場で 150〜250円/㎡ 程度のレンジで検討されるケースが多いです。自社の人件費・輸送費・リース・管理費・安全費を分解し、「なぜその単価なのか」を説明できる状態にしておくことが重要です。
※本記事で示す「150〜250円/㎡」は、くさび式足場の資材レンタル単価の実勢値(レンタル会社の公開情報および当社の取引実績)に基づく参考値です。
足場工事の総額(組立・解体・運搬を含む)は 650〜900円/㎡ 程度が一般的です。
法令に単価の定めはないため、最終的な見積もりは 元請・労基署・専門家との協議 が必要です。
A. 目安としては、組立で 30〜60㎡/人・日、解体で 40〜80㎡/人・日 程度の幅を見ておき、形状が複雑・高層・隣地条件が厳しいほど低めに見積もるのが安全です。社内実績があれば、それを優先してチューニングしてください。参考例
| 現場名/規模 | 足場高さ | 階数または建物種類 | 組立 面積(㎡) | 組立 人日数 | 組立 ㎡/人日 | 解体 面積(㎡) | 解体 人日数 | 解体 ㎡/人日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 例:マンション改修(10階建) | 15 m | RC 10F | 1200 ㎡ | 24人日 | 50 ㎡/人日 | 1200 ㎡ | 18人日 | 67 ㎡/人日 |
| 例:戸建て住宅 塗装 | 8 m | S造 2F | 200 ㎡ | 4人日 | 50 ㎡/人日 | 200 ㎡ | 3人日 | 67 ㎡/人日 |
※本歩掛数値は、複数現場での当社実績値および協力会社の経験値をもとにした“目安” であり、
地域・建物形状・足場の高さ・搬入条件・職人レベルなどの諸条件で大きく変動します。
実際の見積もりでは、必ず現場条件を精査し、元請・労基署・専門家との協議の上で判断してください。
Q3. 支柱1本あたりの許容荷重はどのくらいですか?
A. 支柱(縦さん)の許容荷重は **メーカーや鋼材規格・長さ・肉厚によって異なるため、全国共通の固定値は存在しません。一般的な製品では 1.5〜2.0t 程度 のレンジで示されることが多いですが、これは“代表的な試験値”であって、実際に使用する部材の性能は、必ず 仮設工業会の技術基準 または メーカーの最新カタログ(下記一次情報)で確認してください。
なお、労働安全衛生規則には具体的な許容荷重数値は定められていません(関連条文:安衛則570条・571条)。
使用判断は必ず 元請・労基署・メーカー・専門家との協議 が必要です。
ダウンロードツールの活用法
【無料Excel+PDF】クサビ足場リース 概算テンプレ&チェックシート
DLツールは、「一度作れば、現場ごとに使い回せる“未来の自分へのプレゼント”」です。 まずは無料版で慣れてから、必要に応じて将来リリース予定のPRO版も検討してみてください。
- ① 概算テンプレ(Excel無料版):架面積・期間・㎡単価を入れると、リース料+組立解体+運搬の概算が自動計算されます。
- ② PRO版マニュアル(PDF):3社比較や法令チェックなど、今後公開予定のPRO版の機能と考え方を先に確認できます。
- ③ リース見積チェックシート(PDF):見積書が届いたら5分で「抜け・別途・起算日」を確認できるA4チェックリストです。
※ リンククリックは GA4 の「download」イベントで計測できるように設定しておくと便利です。
A. 一般には、縦・横方向とも一定ピッチ以内に均等配置する考え方が基本ですが、建物高さ・形状・風荷重・近接条件などで変わります。安衛則・技術指針・メーカー資料を踏まえ、施工計画書上で元請・設計者と協議して決めてください。※法令および技術指針では、壁つなぎ(アンカータイ)のピッチについて、普遍的な数値は定められていません。使用する建物構造・風荷重・部材仕様により異なるため、必ず “施工計画書” を作成し、元請・設計者・専門家との協議を行ってください。
Q5. 中古材を使うときの注意点は?
A. 中古の足場材は、変形・腐食・亀裂・過度な摩耗・溶接部損傷などがあるものは使用禁止とされています(安衛則570条・574条)。必ず使用前に点検し(安衛則576条)、損傷があれば即座に交換してください。
仮設工業会の技術基準やメーカーの点検基準では、
曲がり
座屈
腐食深さ
溶接部の剥離
布・筋交いの変形
など、代表的な使用禁止の例が示されています。
中古材を運用する場合は、
社内で交換基準を明確化し、点検結果と交換履歴を記録すること
(厚労省「足場の点検ガイド」にも記載)。
事故時や監査時に合理的な説明ができ、元請・監督署からの信頼性が上がります。
最終判断は必ず、元請・労基署・メーカー・専門家との協議で行ってください。
まとめ:あなたの現場が少しラクで、安全になりますように
最後に、この記事のポイントを5つに絞っておきます。
- 積算の軸は「架け面積 × ㎡単価 + 付帯費用」
外周・高さ・架け率をExcelに任せ、単価と付帯費用の考え方を整理する。 - 歩掛は「標準フロー」が決まるほど安定する
地盤→支柱→布材→作業床→壁つなぎ→点検、という流れを社内標準にしておく。 - 単価は「相場」ではなく「原価5要素」で考える
人件費/輸送費/リース・償却/管理費/安全費に分けて、自社のラインを決める。 - 点検・記録・教育は「費用」ではなく「保険」
チェックリスト・写真・簡単な資料をセットで持ち、事故・是正・クレームのリスクを下げる。 - Excel・モニター・レーザー距離計などの道具で、勘と根性から少し卒業する
ちょっとした投資が、安全と時間と気持ちの余裕を取り戻してくれる。
読んでくれたあなたへ
正直に言うと、私も若い頃は、足場の積算や図面で何度も怒られました。
- 「この単価じゃ、うちが赤字になるだろ」
- 「この壁つなぎ、これじゃ法令違反だよ」
と、ヒヤッとする場面もたくさんありました。
それでも、一つ一つの現場で学んだことをメモし続けてきた結果、
今はこうしてブログや資料を通して、全国の現場監督さんたちと知識を共有できています。
この記事が、あなたの現場で
- 事故を一つでも減らし
- 無駄なコストを一つでも減らし
- 若い子たちが「この業界も悪くないな」と感じる
そんなきっかけになれば、本当にうれしいです。
「またISHIDA DESIGN OFFICEの記事を読もうかな」と、ふと思い出してもらえるように、
これからも現場目線の情報をコツコツ書いていきます。
よかったら、他のピラー記事や無料ツールも、一緒に使ってみてください。

参考・出典リスト(省庁・規格・メーカーのみ)
- 厚生労働省「労働安全衛生法・労働安全衛生規則」および足場・墜落防止関連告示
- 一般社団法人 仮設工業会「くさび緊結式足場の技術資料・技術指針」
- JIS A 8951 ほか、足場関連JIS規格(該当時)
- 主要足場メーカー各社 カタログ・技術資料(許容荷重・規格寸法・混用可否)
※最終更新日:2025年12月1日
👤この記事の執筆者/監修
ISHIDA DESIGN OFFICE
代表 I.D.O(仮設設計技術者/足場組立作業主任者)
- 建設業歴30年以上。仮設設計・点検・講習の実務経験有。仮設設計技術者。
- 厚労省・仮設工業会の最新基準に基づき執筆
仮設設計・CAD作図・構造チェックのご依頼はこちら:
ISHIDA DESIGN OFFICE 公式サイト

